Q．高額な入れ歯を作ったけれど、上あごが「ヒリヒリ」して入れてられない
私は3年前までは、上に7本、下に6本、合計13本の自分の歯が有りました。
歯周病の歯を差し歯で繋いで残し、何とか自分の歯で持ちこたえていましたが、歯が動いたり、痛んだりするようになりました。
そこで、友人に紹介されたI歯科医院を受診すると「残せる歯は下の前歯4本だけです、入れ歯になります」と入れ歯の告知を受けました。
入れ歯は初めてです。
入れ歯についての知識は、ほとんどありませんでした。
I歯科医院の院長に、「入れ歯にすれば、なんでも食べられるようになりますよ」と言われ、その言葉を信じて、入れ歯の治療を開始しました。
治療は、治療用入れ歯を製作する型取りと噛み合わせを採ることから始まりました。
治療用入れ歯とは、歯を抜いたその日に入れて帰れる入れ歯です。
当日、9本の歯を抜いて、4本の歯を低く削り、治療用の入れ歯が入りました。
治療用入れ歯のおかげで、歯の無い、みっともない姿を家族や職場の同僚に見せないで済みました。
残した歯に金属の冠をかぶせ、歯の抜いた粘膜が固まるのを待って、治療用入れ歯を元に、本入れ歯を製作しました。
上顎は、金属の薄い板で上あごを覆った金属床の総入れ歯です。
下顎は、4本の歯に入れ歯を安定させる被せ物を付けた入れ歯です。
上下の入れ歯にかかった治療費用は、140万でした。
治療の期間は、診断を受けてから、約６ヶ月間でした。
しかし、出来上がった入れ歯には不満があります。
確かに痛みがなく食事はできましたが、上顎の入れ歯がゆるく、入れ歯安定剤を使用しなければなりませんでした。
口が渇きやすく、唾液が出ない、粘膜がいつも「カサカサ」します。
上下の入れ歯の噛み合わせが低く、息が漏れて「サ行」の発音がしにくいのです。
「上顎の入れ歯がゆるい」
「上顎の入れ歯の前歯に圧迫感がある」
は治療用の入れ歯を調整している時から度々、歯科医に伝えていたのですが、
「本入れ歯が入れば治ります」と言われました。
本入れ歯が入っても、上あごの「ヒリヒリ」は収まらず、
再度、歯科医に伝えると「金属床の入れ歯なので削れません。
痛みがないのなら入れ歯に慣れることです」と言われました。
その入れ歯を我慢して使って、３か月が過ぎた頃には、上あごの前歯の部分の粘膜が、入れ歯を装着しているだけで「ヒリヒリ」してきました。
食事は痛みもなくできるのですが、それ以外は入れ歯を外すようになりました。
歯科医からは、入れ歯の調整は６ヶ月に一度と決められ、受診しても、下の前歯の被せ物の状態と入れ歯の噛み合わせを確認するだけでした。
上あごの「ヒリヒリ」を歯科医に伝えても「問題はありません」取り合ってもくれません。
せっかく入れ歯を作ったのに、食事以外はほとんど外しています。
外出したり、人と会ったりすることが億劫になり、笑わなくなりました。
高額な治療費を払っているので転院することも躊躇しているのですが…
A．「ヒリヒリ」感は、下顎に残した４本の被せ物の力が噛み合わせる力を上顎の前歯部に集中させていること、上顎総入れ歯が緩いのは入れ歯の噛み合わせが前噛みで入れ歯の安定が悪くしていることが原因となっていることが疑われます。
下顎の被せ物が原因だと疑われるからといって、歯の被せ物を壊してしまうと、今の入れ歯は使えなくなってしまいます。
もし、それでも「ヒリヒリ」が治らなかった時のことを考えると患者様も不安になります。
そこで、あさひクリニックの治療方針はこのようにしました。
① 下顎の前歯を加工せず、上下の治療用入れ歯を作製し、万が一、良好な結果を得られない場合は、いつでも旧入れ歯に戻せる状態を維持する。
② 使用中の入れ歯にとらわれず、あさひクリニック基準の治療用入れ歯を作製し、新たな入れ歯の外形、噛み合わせを再構築する。
③ 治療用入れ歯を作り「ヒリヒリ」が完全に消失し、入れ歯を長時間装着できるまで、根気よく調整とリハビリをおこない、患者様に寄り添う治療を行う。
④ 患者さんの希望するペースで入れ歯の調整をする(週1回ペース)
⑤ 本入れ歯の作製は、治療用入れ歯の調整により、患者さんが満足されてから開始する。
このような患者様に寄り添った治療計画を立案いたしました。
ご検討してみてください。
2016-03-18
