経験がある方も多いと思います。入れ歯の型取りの時の、あのゲーゲー感
特に、上あごの型取りは吐き気が伴うものです。
これを嘔吐反射と言います。
そういう患者さんはなかなか上手く型取りができません。
入れ歯を入れておくことができずに、入れ歯をポケットにしまうことから、ポケット入れ歯とも呼ばれています。
入れ歯を作る側も大変です。
まず、吐き気を抑えるために、口腔粘膜に表面麻酔を塗り、嘔吐反射を少なくします。
型取りの材料もすぐに固まる特殊な材料を使います。普通は5~7分の硬化時間が2分弱で固まるものです。
それでも吐き気の強い患者さんは、もう涙目になって、とても辛そうです。
噛み合わせ、歯並びを決めて、患者さんもゲーゲーしながらも頑張って、めでたく入れ歯が完成しました。もちろん、治療用入れ歯です。
問題はこれからです。
どうしても吐き気がして、上顎の総入れ歯が入れておけないのです。
来院時は必ず、入れ歯は口の中からではなく、ポケットから出てきます。
何度、調整を繰り返しても入れておけないのです。
さすがに入れ歯専門のドクターも技工士の私も困ってしまいました。
普通なら「慣れなさい」「我慢しなさい」の押し問答が始まるのです。
患者さん「あう入れ歯を作ると言ったじゃないか!」
歯科医「そんなことは言っていない!慣れないあなたが悪いのだ。私は悪くない」
その結果、患者さんが歯科不信になるか、転院してしまうのです。
しかし、あさひクリニックは違います。そう簡単には諦めません。
技工士の私は、患者さんとの会話の中で、その患者さんは手先が大変器用で、流木を使って素晴らしい作品を作っていることを知りました。
それならば、吐き気の出ない上あごの入れ歯の長さ、大きさ、形を自分で削って決めてもらうのはどうか、ドクターに提案しました。
普通なら患者さんに「入れ歯を自分で削っては絶対にダメです」とは言っても
「自分で削ってきて下さい」言う歯科医はいないでしょう。
しかし、このまま「慣れなさい」「我慢しなさい」で患者さんが離れていくことは見えていますので、吐き気の出ない上の入れ歯の形をご自分で決めてもらうとこにしました。
歯科医「ただし、あまり小さくすると落ちますよ」
技工士「入れ歯の歯の部分は、削らないで下さい。もし、削り過ぎてしまったら、言ってください。足しますから心配しないで削って、入れていられる大きさを見つけて下さい」と簡単な削る道具と磨く道具を渡すと、患者さんは、入れ歯をポケットにしまってお帰りになりました。
それから一週間後、信じられないことが起きたのです。
患者さんが入れ歯を口の中に入れて来院して来たのです。
これにはスタッフ一同驚きました。
患者さんの誇らしげな顔も印象的でした。
何度も、少しずつ削っては口の中に入れ、また少し削りを繰り返して、どうにか入れておけるところまで削ったそうです。まるで、江戸時代の木製義歯のようです。
入れ歯を見せてもらうと、さすがに技工士から見れば、ゆるい・小さい入れ歯ですが、患者さんには、ギリギリ入れておける生まれて初めての入れ歯なのです。
それからの調整時の吐き気も少しずつ少なくなって、緩まなく、食事ができ、1日中入れていられる入れ歯が完成しました。
解決策は、きっと、見つかるはずですよ。
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2015-02-18