60代の女性の患者さんから「もうひとつ入れ歯を作って下さい。」と申し出がありました。
新しい入れ歯が完成したばかりで、とっても喜んでいたのに、「どうして」という気持ちでした。
患者さん「とても満足しています。だからこそ、この入れ歯が壊れたり、無くなってしまう
ことが不安なのです。」
私「今回、完成した入れ歯は現在の患者さんのベストの状態に作りました。歯並びや入れ歯
のボリューム、大きさを換えてしまうことはできません。まったく同じに作ることも難しく
なります。入れ歯が緩くなってしまうかもしれません」
患者さん「結構です。地震の時や海外旅行の時にも、予備の入れ歯を持っていられたら、
安心なのです。」
そこで、歯の大きさやボリュームをそのままで複製義歯を作ることにしました。
患者さんは、色白な女性の方なので、入れ歯の歯の色や歯肉の色を本入れ歯よりも白くし、
少し、バタくさい感じに作りました。
日によって、気分に合わせて使っているそうです。
外出時の女性のオシャレ心を、少しでも、満足させてあげることができたでしょうか?
友人から「何か、今日、ちょっと感じが違わない?」
患者さん「そうかしら」
友人「良いことでもあったの?」と言われたそうです。
2015-01-01