去年の話です。その患者さんはインプラント入れ歯を希望されて来院されました。
海上自衛隊の学校教官として教鞭をとられていたそうです。長年の入れ歯の苦労から抜け出すため、入れ歯を安定させるために必要な上顎に4本下顎に2本のインプラントを埋入しました。6か月間 インプラントと骨との結合を待っているところでした。
その際、2013年6月21日の朝 太平洋横断中のニュース・キャスター 辛坊治郎さんと全盲のセーラー岩本光弘さんの小型ヨットが、浸水、遭難した事故で、海上自衛隊は、同日、救命ボートに乗り移った2人を確認したが悪天候のため一旦 引き返した、午後、再び救助に向かい3メートルを超える波の中を航空艇と海猿の活躍で無事、救助された話になりました。
海上自衛隊が救助に使った航空艇は、US2という名前であること 日本は荒海に囲まれているので、大日本帝国海軍が、第2次世界大戦中に川西航空機が開発した2式大艇{晴空の技術が生かされていること世界に類のない独自の技術であること
私「乗ったことが、あるのですか?」
患者さん「もちろん、あれは、飛行艇というより、船だね」1200キロの距離なら、2時間で飛べるよ 通常15時間の飛行が可能だね、今回の3メートル以上の波の場合、着水時にプロペラに波を被ると、曲がってしまい吹き飛んでしまうだよ、US2は、風に向かって着水する際に海面に向かって風を吹き付け波を落ちつかせて、ホバリングを行い、機体のバランスを保っている。プロペラは機体の上部にあって波を被りにくい設計になってはいるが、ギリギリの救助だったね」
救出には、2機の飛行艇が、飛んでいたこと失敗した時を想定した行動であること
事故の原因については、船体に浮遊物が衝突したとの報道には、
患者さん「ちょっと疑問だね」
いつもは、無口なひとですが、私にも、よく解かるように やさしく、そして、懐かしそうに話されました。
患者さん「技工士さん、船や飛行機に興味があるの」
私「だって、海猿でしょ、ドラマ見ていましたから、患者さんは海猿の先生をしていたんですよね」
次の来院時に、なかなか手に入らない海上自衛隊の装備について詳しく書かれた本を頂きました。
あさひクリニックの患者さんは、私よりも年齢が上の方が多く、人生経験も豊富です。患者さんの実体験に基づいた話が聞けることは、とても為になると同時に、いつも楽しみにしています。
2014-12-23