A.肩こりと入れ歯の噛み合わせは、密接に関係しています。
入れ歯を入れて食事をする時に、歯ぐきに痛みがあれば、無意識に痛みの少ない側か、痛みのない側を選んで使ってしまいます。
その噛み合わせが長く続くと「片噛み」になっていきます。
例えば、
入れ歯の痛みが左側の奥にあって、右側ばかりで噛んでいると「右の片噛み」になってしまいます。
「片噛み」が続くと連鎖反応として「噛み締め」のクセが起きてきます。
「噛み締め」は無意識のうちに歯を食いしばることです。
唇を閉じている時、上下の歯と歯は少し離れた安静状態でいなければなりません。
ところが、片側ばかり噛み締めていると、「噛み締め」の強い方へと顎がズレ、上下の歯の隙間がなく、接した状態になるのです。
顎の関節は、よく噛む側の周辺の筋肉を緊張させて縮みます。
その筋肉に引っ張られるように、顎が奥に入り込んでしまいます。
一方、噛まない側の筋肉は衰えて、たるんでくるのです。
よく噛む側の顎は上がり、噛まない側の顎は、前に押し出されるように下がってきます。そのようにして、顎の位置がズレると、顔全体もゆがんでくるのです。
そして、歯を「ぐっ」と噛み締める行為は、首や肩に力が入ります。
その結果として、体全身の筋肉の緊張が起こり「肩こり」になるのです。
「片噛み」は、体のゆがみを加速させていきます。
それでは「片噛み」の入れ歯を、正常な噛み合わせに戻すにはどうすれば良いのでしょう。
まず、歯科医院を受診して下さい。
「片噛み」は一度、癖がついてしまうとなかなか元に戻せないものです。
そのため調整の回数が多くなったり、場合によっては、入れ歯を新しく作り替えなければなれなくなることもあります。
しかし、まずは、定期検診では「片噛み」症状が現れていないかをチェックしてください。
入れ歯で噛んでも痛みがなく、永く安心して使えるように調整してもらいましょう。
2016-09-30