A. 入れ歯が歯ぐきに当たって痛いと、ご自分でヤスリを使って入れ歯を削りたくなったり、どうしても、我慢できずにヤスリで削ってしまったことはありませんか?
いくらご自分で入れ歯が当って痛い場所が分かったとしても、入れ歯をヤスリで削ることのデメリットも考えなければなりません。
最初は、爪切りに付いた爪ヤスリなどを使って、少し削り良くなった気がして、また、削り、また削りして行くのです。いくら入れ歯の辺縁や内面をヤスリで削っても 入れ歯が小さく成り傷つくばかりで肝心の入れ歯の内面の歯槽骨が尖って痛みが出ている部分をピンポイントで削ることはできません。
闇雲に当たって痛い所を削ると右を削ると左が痛くなり、左を削ると前歯が痛くなり、いつまでも、いたちごっこです。
しまいには、鰹節の様な角のない丸い入れ歯になるのです。
ところで、ヤスリといってもいろいろな種類があります。
ヤスリの目には、刃の配列が平行の単目と交差している複目があります。
複目には、曲線の波目、溝がなく突起を多数備えた鬼目/石目などがあります。
また、加工物の表面を筋状に加工する筋目ヤスリがあります。
断面形状は平、半丸、丸、角、三角などの種類があります
目の粗い順に粗目、中目、細目、油目に分かれています。
ヤスリの構造上、直線的に削ることは容易できるのですが窪んだ入れ歯の内面の奥にはヤスリの刃を当てにくいのです。
さて、話を元に戻して、入れ歯の痛みとはどうして起こるのでしょうか?
歯が抜けて平らになった歯ぐきの上に入れ歯が入るのですが、平らに見える歯ぐきでも、軟らかい粘膜の下には、デコボコの歯槽骨(下顎骨)が隠れています。
均一な力で入れ歯を押し付けていれば痛みは出なくても、口の開け閉めや食物を噛んだ時の入れ歯の浮き沈みや、強く噛んだ時の入れ歯のタワミ、片方だけに力がかかりすぎると入れ歯自体がずれて動いてしまい痛みになるのです。
ヤスリで入れ歯を削った経験のある患者さんの中には、入れ歯の噛み合わせが高く感じて入れ歯の人工の歯を削る人もいました。
どうして入れ歯をヤスリで削ったのか、患者さんに聞いてみると、噛み合わせの不調をいくら歯科医に訴えても、調整してくれなかったので、その歯科医院に行くのをやめて自分で入れ歯を削った、緩くなった分は入れ歯安定剤を使い落ち着かせていたようです。
患者さんがヤスリを持ちだして入れ歯を削るということは、その入れ歯に失望して、二度とその歯科医院には行かないと決心したからでしょう。
患者さんだって毎晩毎晩、ヤスリを取り出しては入れ歯を削りたくはないでしょう。
痛いから、鬱陶しいから、ザラザラするから、入れ歯の角が気になるから、分厚くて話ずらいからなどの、患者さんの悩みを解決してくれる当院の無料相談をご検討ください。
2015-06-04