A. もちろんできます。
歯の色は残っている歯がある人はその歯を参考にして決めますが、上下の総入れ歯を使用されている患者さんは、その使用中の入れ歯と比較して患者さんの好みを聞きながら、入れ歯の歯の色を決めていきます。
どうしても悩まれて決めかねている患者さんには、本入れ歯の製作前に治療用入れ歯を使ってもらいその歯の色でいいのかを確かめて本入れ歯の製作を始めます。
入れ歯は毎日、同じ入れ歯を使い続けます。
四季に応じて衣替えをする事はなかなかできません。
十分に納得されてから、本入れ歯の製作を始めることが望ましいでしょう。
通常、入れ歯の製作工程には、試適(入れ歯が出来上がる前に患者さんの口の中で人工歯の形と大きさ、歯の色、歯並びと歯の見え方を洋服でいえば仮縫いの状態で一度あわせて、患者さんに鏡で見てもらい顔の正面、斜め、横顔を確認すること)という手順があります。仕上げる前の状態ですから、あなたの希望や気になる点を伝えてください。
試適の段階で、要望を十分取り入れます。
人工歯の色を試適の時の歯の色よりも白くしたい。
同じでいい。
少し暗くしたい。
もっと使い込まれたリアルな色で歯1本1本の色に変化をつけたい。
人工歯の大きさをスマイルラインにあわせて、
長い歯に変えて見たり、
前歯6本と左右の小臼歯がバランスよく見える幅の人工歯を選んだり・・・
笑ったり、話している時の歯の見え方と人工歯を包んでいる人工の歯ぐきが見え過ぎないか、
ご自分の歯ぐきの色や唇の色に比べて赤かったり、ピンク色だったりしてはいないか、
シェードガイド(歯や歯ぐきの色見本)やモールドガイド(歯の形の見本)と照らし合わせます。最近の白い歯のブームでやたら不自然な歯に見える場合はプロとしてのアドバイスをしますが、白いきれいな歯に憧れていた患者さんの要望は重視し、叶えたいと思っています。
人工歯の大きさや形は顔の形で違ってきます。
丸い顔の人は歯の形も丸く、四角い顔の人は四角い歯を並べると顔とのバランスがとれるのです。
男性は、角張った歯を歯の先を磨り減ったようにそろえて、前歯の並びも水平よりも両側の犬歯を少し下げ気味にすると力強い男性的歯並びになります。
女性は歯の角を丸くしリップラインに合せたて前歯の両側を上げ気味にすると、やさしい女性らしくなります。
ピアノの白鍵のように前歯の並んだ入れ歯は、一目に作り物に見えてしまいます。
本物の歯は1本1本に歯根がありで別々で自然な歯並びには、独立感や立体感が大切です。
治療用義歯や試適のチャンスを上手に活用して患者さんにあった自然な歯並びの入れ歯を作りましょう。
あった入れ歯を使っていると「いい顔」のなりますよ。
2015-06-04