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患者さんが語るマグネット入れ歯体験記
(品川区 70歳 男性 会社員)
 7年ほど前、初めてこちらの自費診療のカウンセリングを受けました。
このとき、
歯の知識と歯科治療に対する先入観念や概念が、180度変わったのです。
天と地がひっくり返るとは、まさにこのことだと思いました。
 
院長がレントゲン写真を説明しながら、
2時間近い時間をかけて、カウンセリングしてくれたのです。これには驚きました。
「歯周病がかなり進んでいます。
ご自分の歯を一日でも長く持たせたい、というお気持ちは十分にわかります。
ですから、歯を抜かない治療法を第1に考えましょう。
そのために、まず歯周病の治療から始めます。
治療の過程で、残念ながら、どうしても抜かなければならない歯があれば、そのときは、歯を抜いた場合、抜かなかった場合のメリット、デメリットを十分にご説明します。
そこで納得がいきましたら歯を抜く決断をご自分でしてください」
 
カウンセリングの後半は、
院長は、インプラントの専門医師と入れ歯の専門医師をまじえて、協議しながら、どの方向の治療が、よりベターであるかを噛んでいいふくめるように、わかりやすく説明してくれたのです。
 
これは、いまでこそ普及してきたセカンドオピニオンという方法を
院内の中でもとっていたのです。
それぞれの医師が最良の方法を提案し、
患者さんに説明しながら治療法を決めていく感じがして、
とても強い信頼感を感じました。
「歯周病の治療後、
本治療としてはインプラントをおすすめしますが、
この状況ではまだ、はっきりいってなんとも申し上げられません。
歯周病の治療を続けながらインプラントが可能かどうかは、
精密検査としてCTスキャンをとってから見きわめましょう。
インプラントとは、歯を失った人が、アゴの骨に純チタンという金属でできた人工の歯根を埋め込む治療法で、いま、とても注目されている医療の1つです」
 
私は正直に、インプラントには興味がある反面、
インプラントをやって後悔している友人の話をしました。
そして、不安もあると先生に伝えました。
「インプラント治療も20年前とはずいぶん変わりました。
90年代後半から治療の完成度が格段に向上し、
現在は信頼、完成度は100%に近いほどです。
ですから、安心して治療の選択肢の一つに考えられたらいいと思います。
もちろん、人工物を埋め込むことへの恐怖感や抵抗感は理解しています。
そして、
患者さんの中には、失敗したらどうしようかという不安があることも十分承知しています。
インプラント治療も、いくつかある治療法の選択肢の1つと考えてください。
いくつかの治療法を説明しましょう。
大きく分けて3つあります。
 
1つ目は入れ歯の場合です。
入れ歯を元気な両隣の歯にクラスプというハリガネで固定する方法です。
ただし、この方法は口をあけて笑ったときにハリガネが見えてしまいます。
うちのクリニックでは、目立たない白いハリガネにすることも可能です。
入れ歯の欠点は長期間使っていると、ハリガネを支えている丈夫な歯が、ハリガネの負担によって弱くなってしまうことです。
長所は、治療費が比較的安いということです。
それと私たちの場合は、なんといっても、入れ歯専門のクリニックとして20年間の実績がありますから、精度の高いあう入れ歯が作れるということです。
 
2つ目はブリッジといって、
両隣の2本の歯を削り、3本の連結した歯を上にかぶせます。
固定式なので違和感もなく、しっかり噛めることです。
欠点は両隣の元気な歯を削って作るということです。
 
3つ目は先ほど説明したインプラントです。
これは1本だけの単独治療が可能なのです。
両隣の健康な歯には負担がかかりません。
インプラントは、人工の歯根を埋め込んで、新しい歯をかぶせる治療法です。
長所は、入れ歯の欠点が解消されることです。
たとえば発音、見た目が自然、食事をするとき味が変わらない、アゴの力が衰えない、そして自然な歯並びなどです。
短所は他の治療に比べて高額になる場合が多い事です。
最終的には、
いま申し上げました3つの治療法の中からあるいはそれらを組み合わせて、
患者さんご自身で十分にお考えいただいた後、選択していただくのが一番です。
歯周病の治療を続けながら、
十分な説明とコミュニケーションの中で、
最良の治療法をいっしょに決めていきましょう」
 
いくらインホームド・コンセント(説明と同意)が普及してきたとはいえ、
2時間近くもかけて説明されると、
ちらっと頭をかすめた不安も吹っ飛んでしまいました。
「前歯を抜いてしまうと、歯は抜けたままの状態で帰るのですか?
マスクは必要ですか?
新しい歯はいつ入るのですか?」
 
私は、現実的な不安と疑問を矢継ぎ早に質問しました。
「自然な仮の歯をその日のうちに入れます。
仮の歯といっても自然でキレイな歯です。
歯がない状態でお帰りになることはありません。 
ご安心下さい」
 
答えを聞いて、
抜歯の日がきても会食をキャンセルしなくてもすむなと、
すごい安堵感があったことを記憶しています。
 
そして本音で相談できる雰囲気と、
十分に納得できた説明で、歯の治療のすべてを、
この歯科医院にお任せしようと心に決めたのです。
 
最初は歯周病の治療です。
歯石を取ってもらうことになったのですが、
歯石は、歯周ポケットにまで入り込んでいるため、
治療は負担がかからないようにと、2回に分けて行ないました。
 
歯石の清掃といっても、がんこな歯石でかなり大掛かりになってしまったようです。そのときは、もう運を天にまかせる気持ちになっていました。
「お痛みが少しでもあるようでしたら左手を上げてください」
 
最初は歯石を削る音に、目隠しされた頭の中は、かなり敏感に集中していたつもりでしたが、麻酔のせいか、いつのまにか居眠りしていたようです。
それほど不安がなかった治療だったと、記憶しております。
 
たしかに保険では、ここまでていねいに治療はできないだろうと思いました。
保険治療は、治療範囲や治療費、材料が細かく規定されているそうです。
だから治療時間までも制約があるのだろうとは想像がつきます。
これでは歯科医が、やりたい治療もできないのだろうと思いました。
 
あさひクリニックでの自費治療の場合、
事前に
治療見積もりと治療計画の説明を受けた上で治療を開始されているので、
だから、
患者も納得の治療を受けられるのだと思いました。
 
それにしても、歯だけは、あれほど丈夫で虫歯や歯周病とは無縁だ、と思っていた10数年前までのあの自信は……。
 
歯周病の治療を継続したものの、このあと4本もの歯を失うことになるのです。
もちろん抜歯は、
歯周病の治療を十分にやったうえでの結果でしたから納得ずみでした。
 
思い起こせば50代の頃は、仕事は連日多忙をきわめ、毎晩のように接客、飲食で深夜の帰宅が日常化していましたから、朝の歯磨きでさえおざなりで、2〜3分ぐらいしか時間はかけていませんでした。
 
まして、毎食後の歯磨きなどやったことがありません。
いつの間にか、自覚症状がないままサイレント・デイジーズ(沈黙の歯周病)に侵されていたのです。
いま、そのツケが一気に吹きだしてきたのです。
サ行タ行もスムーズです。
歯周病治療の経過が良好になった2カ月後、時間に制約がある私は、
2回にわたってインプラント治療を行なうことになりました。
それから2カ月間、毎週1回、治療経過とメンテナンスを兼ね通院することになりました。
 
インプラントは、左上の奥歯4本を抜いたあとに埋め込むことになりました。
しかし、アゴの骨が歯周病に侵されて薄くなっていたため、斜めに埋め込むことになりました。
 
斜めに埋め込むことで安全性が向上する、全世界でいちばん信頼性が厚いインプラントメーカーであるブローネマルクインプラントを使用したと説明を受けました。
治療後、私もレントゲン写真で確認しました。
 
インプラント治療は、意外にあっけなくすんでしまいました。
麻酔は歯石取りのときと同じでした。痛みはまったくありません。
2本を埋め込むのに40分ほどでしたが、
麻酔が効いていたためか、
歯石治療のときのように、またもいつのまにか居眠りしていたようです。
 
インプラントが骨としっかりなじむ6カ月のあいだ、
治療用入れ歯を入れていたのですが、なんの不自由も感じませんでした。
しゃべるときの発音もスムーズでしたし、食事も不自由はありませんでした。
もう本歯を入れなくて、このままでもいいか、とさえ思ったほど快適でした。
 
精度の高い、あう入れ歯とは、歯科医の実績と経験がものをいうものだと思いました。
20年間ものあいだ、入れ歯専門の歯科医院としてやってきた実績が、こんなところにも活かされているんだ、と実感しました。
通常のインプラントは、先に説明を受けている通り、アゴの骨に人工の歯根を埋め込み、その歯根にセラミックの歯をかぶせ、ネジで止めて完成させるそうです。
 
しかし私は、インプラントの本数が少ないため、歯をかぶせることができません。ということで、
最終的には、インプラントの頭に吸着する、超小型の磁石を埋め込んだ入れ歯、
つまり、マグネット式の入れ歯と併用することになったのです。
 
インプラントと入れ歯のミックス治療です。
これだと予算も半分ですむと聞いて、経済的にも助かると思いました。
 
インプラントに支えられたマグネット式入れ歯を入れてみると、
普通の入れ歯とはずいぶん違う、安定感があるなという感じがしました。
入れ歯を入れている人は、
噛みあわせの痛みや、
入れ歯安定剤で固定するなど、
みなさん苦労していると聞いています。
 
しかし、マグネット入れ歯は、超小型の磁石にインプラントの頭がぴたり吸着します。
ただ単にはめる普通の入れ歯とは安定感が違うということを、
インプラントと骨が、しっかりなじむまでの治療用入れ歯を半年間、
実体験してきたのではっきりと比較できました。
 
まず、上アゴをおおう床の部分がなくなりました。
だから、発音も違和感がありません。
サ行タ行もスムーズです。
味覚も、食事の熱さ、冷たさも明確に感知できます。
これまでの入れ歯とは雲泥の差だったのです。
しっかり相談して、納得してインプラントにした甲斐がありました。
 
磁石は、「カチッ」と音が聞こえるほど強力な吸着力があるのですが、
人体には影響がないと聞いて、さらに安心しました。
そして、
食べる喜びが復活しました。
 私は、いま、青リンゴ・ダイエットを試みています。
食前に青リンゴを半分かじるだけで太らない、
と聞いて始めたのです。
 
しかし、タテに4等分したリンゴを、ボリボリかじらなければなりません。
入れ歯のときは、はずれるのではないかと、ちょっとは、心配したものです。
 
マグネット入れ歯になってから、その心配がなくなりました。
自分の歯のように土台がしっかりしているから、
安心して噛めるようになったのです。
 
治療用入れ歯のときも不自由さは感じていませんでしたが、
さらに、
マグネット入れ歯でも、入れ歯専門の歯科医院としての精度の高い入れ歯が生きているな、と感じました。
 
思いおこせば治療用入れ歯のときは、
心の片隅には、ちょっと不安があって、入れ歯が真ん中から折れてしまったら、どうしようかと心配したものです。
だから、ゆっくり慎重に食べていました。
 
まして、予備の入れ歯を持っていかないときの海外旅行では心配が増幅します。
入れ歯が折れてしまったらどうしようかと、そればかり心配したものです。
いまは、その危惧がなくなって、かたいフランスパンも平気でかじられるようになりました。
 
それだけではありません。
私はモチが大好きなのです。
ところが入れ歯のときは、モチや羊かんのように、歯にからまったり、くっつくものは、食べものと一緒に入れ歯も動いてしまうのではと不安になって、食べることができませんでした。
マグネット入れ歯になってからは違いました。
 
マグネット入れ歯は、磁石でピタッと吸着しています。
そのフィット感は、自分の歯とほとんど変わりません。
だから、好きなものを、快適に食べられるのです。
しばらく忘れていた、食べる喜びが復活したのです。
 
これまで外国でも国内でも、美味しいものを食べることだけを楽しみに旅行してきました。
いま、また歯が丈夫だったころのように、自分の歯で、食べたいものが食べられるよになった、という喜びでいっぱいです。
20年前に若返ったような感じさえしています。
 
しかも手入れが簡単です。
磁石による脱着式だから、食後はすぐ洗面所へ行って、はずして洗うことができます。
口の中は、つねに清潔にしていられるということも、とても大きな違いでした。
 
マグネット入れ歯とインプラントの併用ですが、
本当にインプラントにしてよかったな、とつくづく思っています。
「もうすぐ初めての入れ歯になる」
 という友人がいます。
 その友人も私と同様、暴飲暴食派です。
そして歯の手入れも無頓着です。
その割には神経質で、
「入れ歯はイヤだし、インプラントはコワイし?……」
 と悩み続けていたのです。
 
私は、入れ歯もインプラントも経験して、とても調子がいいので、
人に話したくてうずうずしていました。
そんなとき、タイミング良く、院長が東京・新宿の朝日カルチャーセンターで、「入れ歯とインプラント」の講演をされることになりました。
 
朝日カルチャーセンターは、朝日新聞社が行なっている文化活動の1つだそうです。歯がガタガタなその友人をつかまえて、一緒に講演を聴講することにしました。
講演では、院長がご自分で、実際に体験入れ歯を入れ、発音するとどうなるかなどを、笑いあり、かつ明解で誠実に、「入れ歯とインプラント」を説明してくださいました。
 
聴講後、友人はさっそく、
「細かいことを相談してみる」
 ということでした。
私は、余計なお節介をやいた甲斐がありました。

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診療科目: 入れ歯(義歯)治療専門歯科医院
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