A. 入れ歯を長期間使っていると入れ歯の材料も劣化してきます。
入れ歯の表面にプラーク{微生物とその産生物などからなる微生物の塊}が付着します。
このプラークが口内炎を引き起こします。
このプラークの定着は、普通の硬質の入れ歯よりもノンクラスプの入れ歯や軟性裏装されたソフト入れ歯で起こりやすいと報告されています。
普通の硬質の入れ歯は、ある程度、歯ブラシなどの機械的な清掃が可能ですが、軟性入れ歯は、歯ブラシなどによる機械的な清掃が難しく、どうしても汚れが着きやすく入れ歯洗浄剤の清掃が必要になります。
現在市販されている入れ歯洗浄剤には、過酸化酸系と次亜塩素酸系、そのほかにも生薬、銀系無機抗菌剤配合など、有効成分および洗浄作用により分類されます。
過酸化物系:過酸化物でもっとも広く使用されています。
アルカリ性は着色性の汚れの除去に有効です。
次亜塩素酸系:細菌や真菌に対する殺菌効果が非常に高い反面、金属部の腐食、入れ歯の色落ち、軟性入れ歯の素材を劣化させます。
軟性入れ歯に使用する入れ歯洗浄剤は、次亜塩素酸系を避け、指定された専用の入れ歯洗浄剤を使用しましょう。
入れ歯洗浄剤は錠剤の製品が多く、水に溶かして使用します。
入れ歯洗浄剤は加える水の量や入れ歯の浸漬時間は、製品により5分から2時間と幅があります。
十分なプラークの除去効果を得るには最低でも2時間の浸漬が必要と考えられます。
どうしても短時間で入れ歯の洗浄を済ませたい方は、入れ歯洗浄剤と市販の超音波洗浄器を併用すると効果的です。
入れ歯洗浄剤を使用するには、その入れ歯の材料を確認の上で適切なものを選びましょう。
2015-06-10