A .歯の噛み合わせが悪いことで、首や肩が凝ったり、腕や指がしびれることがあります。
睡眠中に顎を動かす筋肉が、勝手に活動することをブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり)といいます。
ブラキシズムによって、朝起きると頭・顎・首・肩にかけて疲れた重い感じがしたり、手足も重く疲れて感じます。また、寝汗や便秘の原因になることもあります。
「疲れ」を取るために、寝たのに、なんとなく眠りが浅く、朝、目覚めが悪くて「疲れが残っている」…
ブラキシズムをする人は、夜中にアゴが不必要に動くことで、筋肉中のグリコーゲンが乳酸などの老廃物に変化して、それで筋肉が、疲れて硬く凝ってしまうのです。
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があります。
●ノンレム睡眠は、寝床に入って直ぐに、吸い込まれるように、入る深い眠りのことで、脳は眠っています。
●レム睡眠は、ノンレム睡眠の深い眠りから、浅くなった眠りのことで、この時、眼球は早い動きをしていますが、身体は眠っています。
ノンレム睡眠とレム睡眠は、90分の周期で一晩に4~5回繰り返しています。
歯ぎしり・食いしばりは、ノンレム睡眠の眠りの浅い時期でレム睡眠の前に置きます。
このとき、咬筋が極度に緊張し、心拍は促進し、呼吸が不規則に変化します。
その他、寝汗をかいたり、腕や足がつったり、身体をかたくしたりします。
ブラキシズムが、深い眠りのノンレム睡眠から、浅い眠りのレム睡眠への移行期に起きやすい理由は、行動上の目覚めが、脳波上の目覚めより、時間的にずれて先に起こることで、大脳の活動が、異常に高まって顎を動かすからであろうと推察されています。
この2つの目覚め時間の相違が、ブラキシズムをする一部の人達で、なぜ生じやすいのか、理由は、まだ分かっていません。
顎の筋肉が緊張すると上下の歯が噛み合います。すると、歯と顎のつなぎ目の神経が刺激を受け、この興奮は知覚神経によって脳に伝達されます。そこで、今度は、運動神経を興奮させて筋肉をより強く緊張させます。この筋肉のより強い緊張は、つなぎ目の神経興奮をより強く脳に伝えます。そして、運動神経をより強く刺激して、筋肉はもっと緊張します。
このような繰り返しによって、ついには、筋肉は最高の緊張に達します。
(目が覚めている時には、こんな強い歯ぎしりや食いしばりは、痛くてとてもできるものではありません)
このような強い緊張が咀嚼筋群に一晩に数回、数カ月も数年にもわたって、繰り返し生じることで、頭蓋―下顎―頸肩腕症候群が現れてきます。
自律神経失調症のような不快な症状や集中力の低下・無気力などが起きると考えられています。
朝起きると頭・顎・首・肩にかけて、疲れた重い感じがしたり、手足も重く疲れて感じる人は、ブラキシズムをしている可能性があります。
ブラキシズムから、部分入れ歯、総入れ歯、健康な歯や補綴物(かぶせ物)を守り、噛み合わせる力を分散させるためにマウスピースを装着が必要です。歯科医に相談してください。
2015-10-02