「黒ちゃん、いるかな」
あさひクリニックに15年通われている72歳の男性患者さんです。
以前、勤務されていたドクターが私を「黒ちゃん」と呼んでいたのを聞いていて、何人かの患者さんが、私を『黒ちゃん』と呼びます。
私「どうしました?」
患者さん「黒ちゃん、この前、院長に動いている歯をこの次、抜きましょうと言われたんだけど、どう思う」と聞かれました。
その患者さんは以前、あさひクリニックで作った部分入れ歯を15年使い、1本抜け、2本抜け、最後の1本の歯が動いて痛み始めていました。今回の治療は、その歯を抜いて、新しく総入れ歯に作り替える予定です。
私「院長の診断です。残念ながら、保存することは難しいのです。このままでは、入れ歯が落ち着かなくなります」
患者さん「そうだよなぁ、時々、痛みのあるし抜かないとダメな事はわかっているんだけど、抜くのを1週間延ばしてもらえないか院長に聞いてくれないかな」
私「院長に確認します」
患者さん「助かるわ」
院長に確認して、折り返し電話をしました。
私「アポイントを1週間、延ばしても良いそうですよ」
患者さん「黒ちゃん、ありがとう」
その後、予定通りに腫れて動いていた歯を抜くことができました。
私『どうして、1週間延ばしたのですか?やはり、最後の1本だからですか?』
患者さん「いやぁ、違ううだよ。最初に抜くと言われた日は仏滅だったんだよ。そんなこと院長には言えないだろう、だから、黒ちゃんに頼んだんだよ」
私「そうでしたか、今度、入れ歯が入る時は、仏滅を避けて、大安になるようにしましょう」
患者さん「それはいいね、大安吉日、縁起がいいね。入れ歯もよろしく頼んだよ」
患者さんには、歯を抜いて丁度、2ヶ月後の大安吉日に新しい入れ歯が入りました。
患者さん「まだ、長生き出来そうだから、これからもよろしく頼んだよ。黒ちゃん」
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2015-02-27