技工士ブログ

石膏模型と口の中はこんなに違がっている

入れ歯を作る模型と実際の患者さんの口の中はこんなに違っています。
入れ歯は口の中で採られた歯型に歯科用石膏を注入してできた模型に合わせて、技工士が作製しています。
たとえ、技工士が石膏模型にピッタリ合わせて入れ歯を作ったとしても、患者さんの口の中では合わないこともあります。それは口の中と模型が違っているからです。
どうして、模型と口の中は違っているのでしょう。
口の中は唾液があり、軟らかい粘膜で覆われていますが、模型では乾いた固い石膏に置き換わっています。口の中ではピサの斜塔のように傾いて揺らいでいる歯も、石膏模型では真っ直ぐ、しっかりした歯になっているからです。
 診療室に技工室があって、技工士がいないと入れ歯が作れないということはありません。外注技工であれば、東京の患者さんの入れ歯を北海道でも九州でも作ることができます。
しかし、技工士は歯科医院と離れた場所にある技工所で患者さんと接点といえば、受け取った石膏模型と歯科医の1枚の技工指示書のみで診療室で何が行なわれているのか分からないで、入れ歯を作っています。
 私は歯科技工士になって35年になります。最初に勤務したのは、日本歯学センターの院内技工室でした。院内で技工する中で患者さんの意見や感想をダイレクトに聞くことができる入れ歯に惹かれていきました。
入れ歯は患者さんを劇的変えることができるのです。
師である日本歯学センター所長の田北敏行氏から「黒澤君は、単に入れ歯を作る技工士ではなく、診療室と外部の技工士を円滑に結ぶベント役となる技工士を目指しなさい」と教えを受けました。
診療室で患者さんと入れ歯を作る技工士が話すことができれば、患者さんの生の声と歯科医の指示をその場で確認することができ不明瞭な部分を再確認ができます。
 いまや、決められたパーツを組み合わせ、決められた納品日に歯科医院に届けられる製作者の顔も見えない入れ歯ではなく、技工士が診療室から得られた、きめ細かな情報を模型ともに技工室に持ち帰り、患者さんの顔を思い描きながら、創り出す技術と工夫された入れ歯が求められているのです。
技工室では、なかなか確認できない患者さんのこと
① 入れ歯の取り外しが上手くできない
手指に力なく (半身麻痺、関節リュウマチなど)部分入れ歯のバネや装置が複雑で取り外しができない。
技工士注目点
実際に入れ歯の取り外しを見せてもらい、慣れた取り外しや癖を参考にします。
自分で取り外しができない方は、介護者が扱いやすい入れ歯にします。
爪の硬さ (薄い、軟らかい――患者さんの爪を触らせてもらいます、)
入れ歯の入れ方外し方 (噛んで入れ歯を入れる、うがいをして入れ歯を外す) 口角の幅の狭く入れ歯の出し入れがしにくい
 指でつまむとはずせる工夫と入れ歯を口角に合わせ回転する装着方法を指導する。
② 入れ歯の洗浄方法(ブラシで洗浄する、入れ歯洗浄剤を使用する、超音波洗浄機を使用する)
技工士注目点
入れ歯の表面の仕上げ方を工夫し、人工歯と床の境目を平たんにすることで、着色や食べかすが詰まりにくくすることができます。
③ 顔と入れ歯の調和
技工士注目点
セラミック製の歯の色合わせは、セラミック専用のシェードガイドで残った歯に合わせて歯の色を決めますが、入れ歯は使う人工歯を選び、咬合床に並べて排列試適をします。歯の色、前歯や臼歯の形、歯の大きさ(歯冠の長さ、歯の厚み)、歯並びを確認します。 
 
④ 入れ歯の噛み合わせ
咬合様式 (受け口、前突、過蓋咬合、オープンバイト)
歯ぎしり、歯の擦り減り、噛み合わせによる歯へ過重負担
技工士注目点
歯ぎしり、歯の咬耗度合い、噛み合わせの負担、
診療室では、咬合器にマウントした状態と実際に口腔内の噛み合わせに違いがないかを歯科医と共に確認します。
今までの歯科治療の既往歴、噛み合う歯の素材(天然歯、セラミッ製、貴金属製、ハイブリット製、樹脂製、充填物)を確認します。
⑤ 入れ歯の使用経験について
 入れ歯の種類、入れ歯の強度、作り替えの理由
技工士注目点
入れ歯を装着経験がある患者さんとはじめて入れ歯を使われる患者さんとでは、作る技工士の心構えが違います。入れ歯の大きさや床の厚さなど調整できるゆとりを持たせ作ります。
⑥ 入れ歯製作の技工日程と治療中のQOL
  舌感、話しやすさ、舌の長い短い
患者さんの希望が「残った歯より少し白く、歯は大きくならなくて、笑っても入れ歯の歯ぐきやバネが見えないように」だったとしたら、もう、わからないことだらけです。残った歯が汚れているのか、患者さんが考える綺麗な色とは何であるのか、唇の形もわかりませんし、笑った時、歯や歯ぐきがどれくらい見え、それによって部分入れ歯のバネがどんな見え方をするのかは、立ち合って直接、患者さんに確認するしか方法はないのです。
同時に噛み合わせのズレも治すのか、そのままでいいのか、低く擦り減った歯を元の高さまで戻すのか、1度や2度の立ち会いでは見つけられないことが沢山あります。治療用入れ歯で何度も観察しながら、調整することが必要です。
入れ歯があわないのではなく、今までは、あう入れ歯を作っていなかったのではないのか?と思う時があります。
模型は痛がったり、悩んだり、文句を言ったりはしませんから、
技工士の視線から、もう一歩踏み込んで、患者さんの気に入る入れ歯が作れると考えています。
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