女性の患者さんが定期検診に来院されました。
初診は、平成11年9月で68才でした。早いもので、今年1月で84才を迎えられます。
最初に来院された時、箱いっぱいの合わない入れ歯を持っていらっしゃいました。
平塚の歯科医院をあちこち回って入れ歯を作ったが、下の入れ歯がどうしても合わない。
「歯ぐきが痩せていて難しい」と何処の先生も同じ答えでした。
無理なら作る前に言ってほしかった。保険のきかない自費の入れ歯ばかり作ったのにと思っていました。
そんな時、あさひクリニックの「あう入れ歯、あわない入れ歯ここが違う」本の紹介が朝日新聞に掲載されました。すがる思いで本を買って読み、来院されたそうです。
口の中の状態は、下顎の顎堤が平らになったというよりも、もっと進んで、えぐれてしまい、下顎骨からの神経の出口が入れ歯に当たっていたのでした。
CT診断の結果、インプラントを2本埋入し入れ歯を安定させる方法が、最良の方法であるという診断でした。
患者さん「このまま一生、入れ歯で悩み続けるのはもういやだ、一刻も早く、インプラントの手術をしてほしい」という答えでした。
治療後は12年間、トラブルもなく具合よく使われていました。
私「今の悩みはなんですか?」
患者さん「もう歯の悩みではないのです。80才になり足腰が弱ってきて、いつまで、あさひクリニックに通院できるかを心配しています」
そんな患者さんでしたが、4年前、長男のお嫁さんに付き添われて、近くの歯科医院への転院のために挨拶にいらっしゃいました。
患者さん「12年もよく通ったでしょ。もう 通えなくなるのは、さびしいけど、本当にありがとう。」
私「あっという間の12年でしたね。いつまでも お身体を大切に」と声をかけました。
先週、平成27年1月に電話がありました。
患者さん「平塚から、娘のいる池袋に引っ越して一緒に暮らすことになったの、また、あさひクリニックで診てもらえるようになりました」
とてもお元気そうで、声が弾んでいました。
4年ぶりです。お会いするのが楽しみです。
2015-01-19