男性の患者さんです。４０代から上顎に部分入れ歯を何度も作ったということですが、「どうしても入れ歯に馴染めない何とかしてくれ・・・・」
もう、１８年も前のことです。上顎の右の前歯に残った２本の歯を治療し、マグネットで安定させる総入れ歯を製作しました。
治療用の仮の入れ歯を含めて、１８年間で６個の入れ歯を作製しました。3年に１度、入れ歯を新製作した計算になります。
実は、まだまだ使える状態の入れ歯もあったのですが、入れ歯を新しく製作したのには、患者さんのこんな思いがありました。
患者さん「入れ歯が乗っかる顎の形だって痩せて変わるんだろう、ゆるく合わなくなってきた
入れ歯を無理して使っていてもいいことは無いじゃない。
その都度、先生や技工士さんに調整して、合わせてもらうの申し訳ないだろう。
また新しい入れ歯作ってよ。」
私｢今は、とっても安定している状態ですよ、勿体ないじゃありませんか？｣
患者さん｢そんなこと言わずにさぁ、具合のいい時、新しい入れ歯作った方がいいんだろ、
この入れ歯を作ってから３年経ってるし、今までだって、新しい入れ歯の方が、断然、
具合良くなってきたよ、車だって最新モデルの方がいいじゃないか｣
私｢車と違って人間の体は加齢と共に変化していきます。入れ歯を支える顎堤も
痩せたきますので、入れ歯を作る条件も年々厳しくなるんですよ｣
患者さん「そこんところは、技工士さんの腕でカバーしてもらってさ、あわなった入れ歯を使っていると歯ぐきは痩せるんだろう」
こんなやり取りがあって、結果的に１８年間で６個の新しく入れ歯を製作してきました。
患者さん「よろしく、たのむよ。これでまた３年 生きる希望が湧いてくるよ」
私「新しい入れ歯の作り換えについて先生と相談してみます」
そして、新製作した今回の入れ歯も「具合がいい」と喜んで頂きました。
私「この次に作り変えるときは、補強のインプラントも考える時期ですね」
患者さん「わかったよ、考えておくよ、その時は、宜しく頼むわ」
この患者さんは、60代の働き盛りです。
入れ歯の付き合いは、まだまだ続くことでしょう。
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2014-12-15
