入れ歯なんでも相談

Q.入れ歯は、いつ頃から使われていたのですか? どんな素材で作られていたのですか教えてください。

A.入れ歯が現在の合成樹脂(アクリルレジン)で作られるようになるまでに、様々な素材が試されてきました。
入れ歯の歴史を知るため、神奈川県の桜木町にある「歯の博物館」に行って来ました。
横浜は約140年前にW.C.イーストレーキ等の西洋人歯科医が外人居留地で開業し、近代歯科医学発祥の地とされています。
展示は日本だけではなく西洋の資料も含めた古今東西の歯に関するものが集められています。
その中でも、全国でも珍しい入れ歯に関する資料が数多く展示されています。
日本での入れ歯の歴史は、7世紀に仏教とともに仏像用の蜜蝋を使った蝋形の技術が伝えられ、それを応用した日本独自の木床義歯が発展したそうです。
日本最古の木床義歯は、天文7年(1538)に74歳で亡くなった和歌山市の願成寺の尼僧、仏姫が使った上顎の黄楊製の総入れ歯だそうです。
木床義歯の多くは「黄楊の木」が使われています。
黄楊は強く割れにくく、削り出しやすく、肌触りもよく入れ歯の素材として適していました。
江戸時代には、入れ歯を製作する職人は入れ歯師と呼ばれ、木製義歯を作っていました。
前歯には象牙、蝋石、人や動物の歯が使われ、黄楊の床に、はめ込んだり、横から穴を開け、三味線の糸で結んで固定していました。
顎の型取りは蜜蝋で蝋形をとり、入れ歯師がそれに合せて削り出し、細かい調整は口の中で朱肉や食紅で当たって痛いところを少しづつ削り仕上げたいたようです。
すでに審美的にも実用的にも、現在、我々歯科技工士が作る総入れ歯の形と同様に精巧に作られていました。
口の中での適合性も優れていたようです。
奥歯には、鋲を打って噛める工夫がされてあります。その鋲がひどく摩耗していることから、咀嚼も充分できていたことが分かります。
日本独自の木の文化と入れ歯師の技術の高さに驚かされます。
ヨーロッパでは、ロンドンに開業した歯科医師”ド・シャルマン”が、1792年ウェッジウット工場〔陶器製造会社〕の協力により、約12年間に1万2千個の陶製義歯を作ったそうです。
展示されてある陶製義歯の歯肉部分がピンク色に着色してありました。
そのころの陶製義歯は、上下の総入れ歯を、コイル状の断線で支えるようになっていました。
アメリカ初代大統領 ”ジョージ・ワシントン”が使用していた義歯も同様のものだそうです。
義歯の材料は、木床、陶磁器、金属と変化してきましたが、1851年 米国人グットイヤー兄弟の発明した硬化ゴム(硫化ゴム)から、1864年歯科医師 ”ジョン・A・カミングス”はゴム床義歯製作までの過程を特許申請し、ゴム床義歯は作られるようになりました。
そのゴム床義歯は陶歯との接合により、いままでより審美的で実用的で当時造られていた他の義歯の価格に比べてずっと廉価だったようで、義歯の発展に貢献しました。
第2次大戦後、ゴム床が合成樹脂(アクリルレジン)にとって代わりましたが、理論はゴム床義歯と同じ物でした。
問題であった、レジン床とレジン歯で接合も完成されました。
審美的にも人工歯の色調、形状にも種類が増えました。
義歯床の補強に金属を入れることはゴム床義歯の頃から試されていました。
昭和の初期は金や銀、アルミを鋳造して作製する金属床が多く用いられました。
昭和20~30年頃は、板金を低速プレスで加圧成型した圧印床義歯がメジャーでした。
現在ではアクリルレジン床の口蓋をチタンフレームにすることで、強度だけではなく、軽く、薄く、熱伝導性がよく、冷熱の感覚も自然に近づきました。
入れ歯に使われた素材を振り返ってみると、様々なものが試されてきたことが分かりました。
入れ歯の素材について、興味を持って理解して頂ければ幸いです。

投稿日: カテゴリー 入れ歯なんでも相談
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