- 入れ歯とは?
- 入れ歯でお悩みの方は
- 入れ歯に期待できるメリット
- 入れ歯・義歯の種類
- 技工士の入れ歯への思い
- 入れ歯専門技工士の4つのメリット
- 入れ歯出張製作
- 入れ歯安定剤の使用法
- 上手な入れ歯のお手入れ
入れ歯とは?
歯を失った時の治療法の1つです。
入れ歯は、義歯、デンチャーとも呼ばれ、総入れ歯と部分入れ歯があります。
どちらも床と呼ばれる、歯肉の部分(ピンク色)に人工の白い歯が乗る形をしています。
インプラント治療とブリッジ治療は、あごの骨の状態や失った歯の本数、位置、噛みあわせ、さらには年齢、全身状態の善し悪しによって影響され、治療可能な人が限られます。
一方、
入れ歯治療は、
歯を失ったすべての人に、入れ歯治療は可能であるという極めて大きいメリットがあります。
✩歯を失ったときの3つの治療法✩
歯を失ったときの治療法は入れ歯、インプラント、ブリッジこの3つです。
それぞれどんな関係にあるのか、図表を見てください。
3つの治療法の関係
小さな2つの円は、インプラント治療とブリッジ治療です。
あごの骨の状態や失った歯の本数、位置、噛みあわせ、さらには全身状態の善し悪しによって影響され、治療可能な人が限られることを意味します。
一方、
大きな円は、歯を失ったすべての人に、入れ歯治療は可能であるという意味です。
つまり、3つの治療法はすべてが適している人もいれば、入れ歯治療しか適さない人も出てくるわけです。
具体的には、どの部分の歯を失ったかによって、治療法は大きく変わってきます。
さらに口の中全体を診ると、元気で丈夫な歯が多いのか少ないのか、あごの骨の状態いいのか悪いのか、更には、現在介護中なのか...など条件はさまざまです。
その条件によって適した治療法はまったく違ってきます。
したがって、
治療前のカウンセリングと十分な検査が、とても重要になってくるのです。
私たちは、
検査結果を十分に検討し、
入れ歯、インプラント、ブリッジ
この3つの治療法のメリット、デメリットを踏まえたうえで、
患者さんが納得できるいくつかの入れ歯治療法をご提案していきます。
✩入れ歯の各部位と名称✩
総入れ歯の名称
✩入れ歯は2種類に大別できます✩
(注 ✩入れ歯・義歯の分類✩の項目では、当院で使用している4種類に分類していることをご了解ください)
残っている歯の本数に着目した分類として、入れ歯は一般に2種類に大別できます。
残っている歯が0本の方は総入れ歯、それ以外の方は、すべて部分入れ歯です。
1本しか残っていない方も13本残っている方も部分入れ歯です。
入れ歯は2種類に大別できるのですが、さらに細かく
入れ歯の床の形態や素材・材質での分類、不安定な入れ歯を安定・維持する方法や器具によっても入れ歯の分類は可能です。更には、目的別に分類することも可能です。
例えば、
その2種類(総入れ歯、部分入れ歯)の入れ歯を入れ歯を構成している床・支持方法(ハリガネ)・材質・素材などに着目した分類として、
したがって、たとえば「ソフトタイプ」の総入れ歯もあるし、「ノンクラスプタイプ」の部分入れ歯もあるわけです。
さらに、ひとりの患者さんの口の中には、
上アゴはメッシュ入れ歯(こちらをクリック)の総入れ歯、
下アゴはコーヌス・AGC義歯(こちらをクリック)の部分入れ歯などなど・・・。
その結果、
あさひクリニックでは、入れ歯・義歯の種類(こちらをクリック)で説明する16の入れ歯治療をご提案する事が可能になりました。
16という入れ歯のバリエーションのおかげで、治療予算にあわせて治療法の選択や、上アゴと下アゴの治療が違ったり、無限の可能性が広がってくるのです。
だからこそ、十分なカウンセリングを行うことで、
豊富なバリエーションの中から、皆さんに合った治療を探し、ご提案していくことが可能なわけです。
なお、複数の分類方法が存在する以上、並列に説明することが難しい事をご了承のうえ、詳しいことを確認したい方は次をお読みください。
✩入れ歯・義歯の分類✩
Ⅰ 総入れ歯
Ⅱ 部分入れ歯
Ⅲ オーバー・デンチャー
Ⅳ 床なしブリッジタイプ
あさひクリニックでは、最初に通常、4つに分類しております。
またそれぞれ、細分類が可能です。
Ⅰ総入れ歯(一本も自分の歯が残っていない入れ歯)
1. 治療用入れ歯
(1) 即時入れ歯
予期せぬ時に、歯がなくなったり、食事が取れなくなったりしないための緊急入れ歯
(2) パイロット入れ歯
初めて入れ歯を装着する方に安定した噛み合わせをチェックする入れ歯
(3) プロビジョナル入れ歯
最終入れ歯に、より近い噛み合わせと審美性を見つける入れ歯
2. 最終入れ歯(本入れ歯)
最終入れ歯は、素材の違いにより、さらに分類します。
(1) レジン床入れ歯
入れ歯に床用レジンとして多く使われるのが加圧重合タイプのメチルメタクリイートはモノマーとポリマーを混合して熱を加えることにより重合されます。
ア) 加圧重合方式
加圧重合方式には、
1 アクア・マラソンという低温長時間重合
(水を室温から徐々に75℃まで加熱して、その75℃で9時間レジン重合する方法)
2 イボカップ・システム
(混和された餅状のレジンを6気圧で加圧填入する方法)
3 BPS(生体機能的補綴システム)など徐々に圧を加えながらレジン重合をすること で、精密に適合した入れ歯を作ります。
イ) 流し込みレジン方式
(2) 金属床入れ歯
金属床入れ歯は、素材の違いにより、さらに分類します。
① チタン床入れ歯(こちらをクリック)
歯科用金属の中で最も軽く、金属アレルギーが少ない素材を使用した入れ歯
② コバルト・クローム床入れ歯
チタン床入れ歯と同等の薄さで、チタンよりも修理などの扱いが容易な金属を使用した入れ歯
③ PGA金属床入れ歯
プラチナとゴールドの合金で最も歴史が長く安全性が認められている金属を使用した入れ歯
変色が少なく口腔内で安定
④ トルティシュ入れ歯(メッシュ入れ歯(こちらをクリック))
メッシュ素材の合板を重ね合わせることによって上顎の粘膜を覆う金属床の上から入れ歯の吸着を失うことなく、味覚を上顎の粘膜に伝えることができる入れ歯
金属床入れ歯とレジン床入れ歯の違い
ア. 床の厚みがレジン床入れ歯は1.5mm~2mmに対して
金属床入れ歯は0.3mm~0.4mmで床の厚みで約1/5の違いがあります。
イ. レジン床入れ歯に比べて金属床入れ歯は入れ歯を噛み合わせた時にかかる
咬合圧による入れ歯のタワミに対して充分な剛性があります。
ウ. 金属床で作られた入れ歯は、変形しにくい特性があります。
エ. 金属床は熱い冷たいを伝える熱伝導性が高い特性があります。
レジン床入れ歯に比べて、熱いお茶を飲んだら時には入れ歯の部分で伝わりにくかったお茶の熱さが入れ歯を過ぎて喉まで届いてから、初めて熱いと感じて火傷するようなことはありません。
オ. 金属床入れ歯は非常に耐久性が高く長期間の入れ歯を使用することができます。
(3)軟性床入れ歯
軟性床入れ歯は素材の違いにより、さらに分類でき、柔らかさ、厚みに違いがあります。
① コンフォート入れ歯
② スーパー入れ歯
③ ソフト入れ歯(こちらをクリック)
④ フィン入れ歯
Ⅱ部分入れ歯(自分の歯が残っている入れ歯)
部分入れ歯は、ハリガネのある、なしで分類できます。
1. クラスプ入れ歯(金属のハリガネのついた部分入れ歯)
(1) ワイヤー・クラスプ入れ歯
(2) キャスト・クラスプ入れ歯
(3) Iバー・クラスプ入れ歯
(4) ゴールド・クラスプ入れ歯
(5) ホワイト・クラスプ入れ歯(こちらをクリック)
2. ノンクラスプ入れ歯(金属ハリガネのない部分入れ歯)
ノンクラスプ入れ歯は、素材の違いにより、さらに分類します。
ノンクラスプ入れ歯の素材はポリエステル樹脂と熱可塑性ポリアミド樹脂があります
ア)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂は耐衝撃が高く破壊衝撃に強く吸水性が低く、変質や変色が少なく入れ歯の仕上がり面の美しさが長く持続しチェアー・サイドでの入れ歯の修理が可能です。
イ)熱可塑性ポリアミド樹脂
熱可塑性ポリアミド樹脂は高い柔軟性と強度があります。
「リライニング・プレ・プライマー」を使用し、入れ歯をお預かりしての修理になるため、入れ歯を使用できない歯のない期間があります。
Ⅲオーバー・デンチャー
(自分の歯の根やインプラントの土台を入れ歯で包み込むタイプ)
オーバー・デンチャーには、ハリガネは有りません。
自分の歯の根やインプラントに維持装置をつけて入れ歯を安定させます。
1. マグネット入れ歯(こちらをクリック)
300.400.600.800.1000.1200.の6段階の磁石を使用し、
適切な吸引力を選択し入れ歯を安定させます。
2. ロケーター入れ歯
7段階のアタッチメントを使用し、適切な保持力の強度を選択し入れ歯を安定させます。
3. Oリング入れ歯
ゴムで作られたリングで入れ歯を固定・安定させます
4. ドルダーバー入れ歯
レール状のバーにフィメールというクリップで、入れ歯を固定・安定
Ⅳ 床なしブリッジ・タイプ
(内・外冠の2重構造・はめ込みタイプ)
内外冠の2重構造物を使用し、着脱式の入れ歯ですが、
床(ピンク色の部分)を付けることなく作製することも可能です。
1. ソフト・アタッチメント入れ歯
2. AGC入れ歯(こちらをクリック)
3. コーヌスクローネ入れ歯(こちらをクリック)
4. 歯冠内アタッチメント入れ歯
歯を歯冠内アタッチメントで補綴し、入れ歯を安定させます。
(1) カム入れ歯
(2) リーゲル・テレスコープ入れ歯{閂タイプ}
5. 歯冠外アタッチメント入れ歯
歯を歯冠外アタッチメントで補綴し、入れ歯を安定させます。
(1)セクラロック入れ歯
コーヌス・クローネは内外冠の2重構造のために内冠の軸面の擦り減りによるコーヌス力の低下が見られた。セクラロックはボールペンの様にルビー・ボールが内冠の軸面を転がることによって軸面を損傷する恐れがありまあせん。
(2)ミニダルボアタッチメント入れ歯
(3)スイング・ロック入れ歯
あさひクリニックでは、患者様のお口の中を精査、診査し、また、年齢や体調、有病を考慮した上で、良好な予後が確立した信頼性の高い入れ歯治療法をご提案致します。
✩その他の入れ歯・義歯の分類✩
これまで、説明できなかった入れ歯の床の形態や入れ歯の歯の部分の素材・材質での分類、更には、目的別に分類することも可能です。
入れ歯の形態による分類
上アゴの入れ歯を口蓋付き入れ歯と無口蓋入れ歯に分類することが可能です。
1. 従来型入れ歯(口蓋付き入れ歯)
2. 無口蓋入れ歯(こちらをクリック)
嘔吐反射、ゲーゲー感の強い方に喉の奥まで長く大きい上顎の入れ歯を小さくU字型にくり抜いた入れ歯
人工歯による入れ歯・義歯の分類
入れ歯に並んでいる人工の歯の種類には、セラミック製の陶歯や噛み合わせる部分が金属のメタル・オクルーザル・クラウンやブレード・テュースがあります。
通常 多く使われるのは、硬質レジン歯です。
人工の歯は、前歯の形態と大きさの豊富なモールド形態が必要です。
基本の形(方形・卵円形/尖型)、歯冠長の長短など7形態42種類と豊富です。
審美性、機能性と噛み合わせの咬合様式に合わせ、歯の色や透明感と光沢を考慮し、セラミック製の陶歯を選択した方がいいでしょう。
目的別入れ歯・義歯の分類
1. ブレード・テュース入れ歯
強力な咬合圧で硬いものを噛み砕く入れ歯
2. トルティシュ入れ歯(メッシュ入れ歯(こちらをクリック))
味覚を損なわない
3. ノンガム入れ歯
笑った時でも入れ歯の人工の歯ぐき{ピンク色の床}が見えない入れ歯
4. 透明なパイロット入れ歯
入れ歯の適合状態が確認することができる透明な入れ歯
5. 介護用入れ歯(取り外しの簡単な入れ歯)
入れ歯を装着する時や外す時には、きつくて、なかなか取り外しができない方には、指の形や力にあわせて着脱用のノブを入れ歯に付けます。舌の力でも外すことができます。