A.総入れ歯になるとついつい食べやすい柔らかい食事になりがちです。
食事から歯ごたえのあるものが減り、多くがトロトロ食になり、噛まないで飲み込むようになってしまいます。
また、入れ歯になると、最初から、「かたいものは噛めないからもうダメ」と思っている人が多いのも事実です。
しかし、入れ歯は噛み切りにくさはありますが、入れ歯だから噛めないということはありません。
入れ歯で食べにくいものと言えば、生野菜、厚切りのたくわん、かたいりんご、ごぼうなどがすぐに思い浮かびます。
前歯は、食物を噛み切るためで、奥歯は、すりつぶすことが役目です。
ちょっとひと工夫してみませんか野菜を細かく切るのが面倒なら、あらくおろすと、歯ごたえもあって、食べやすくなります。
レタスは、小さめにちぎり、塩水にくぐらせ、ギュッとしぼって食べやすくしましょう。
たくわんは、薄く切り、千切りにすれば食べやすいです。
りんごは薄く切って奥歯で噛みましょう。
ごぼうなどは、下ゆでしたものを、すりこ木やあきびんでたたいて、たたきごぼうにするのはいかがですか。
このようなちょっと工夫に加え、ゆっくりよく噛んで食べることで、多くのものが食べられるでしょう。
また、歯よりも顎の筋肉の力によって、噛む力の強弱が決まることも多く、よく調整された入れ歯でも顎の筋肉の力が弱くては、十分に噛むことはできない方もいらっしゃいますが、多くの方は、入れ歯の調整をあきらめています。
当たり前の話になりますが、入れ歯が噛みにくいのであれば、まず、あきらめずに歯科医院へ行って定期的に調整をすることは最も重要なことでしょう。
2016-07-05